Vol.190「東京オートサロン2020」
オートサロン全景
2020年のオートサロンは3日間の会期で33万6千人という過去最高の入場者数を記録した!限定公開日の金曜日から大賑わい。土曜日と日曜日のピークになった時間帯など、歩くのにも苦労するほど。どこのブースに行っても人垣ができていました。一頃言われていた「クルマ離れ現象」は終了しつつあるのかもしれません。
今回のオートサロン、新しい流れが見えてきたように思う。御存知の通り東京モーターショーの場合、輸入車メーカーはメルセデスとルノーのみ。一方今回のオートサロンには常連となったメルセデスの他、マクラーレンやボルボ、GMが出展。
なかでもGMはアメリカでも未発売の新型コルベットを飛行機で運んできて展示。ブースの隣に商談コーナーをセットしたところ、会期中に100台以上のオーダーを受けたという。マクラーレンもGTと720スパイダー。ボルボはスポーツモデルであるポールスターのS60とXC60を並べた。いずれの展示コーナーも大賑わい。
1億3千万円のGT-R50
新車で買えるクルマで一番高価だったのが、日産ブースに置いてあった1億3千万円するイタルデザインのGT-R50である。これまた東京モーターショーに出展されていなかった。50台の限定モデルとあり、実車をゆっくり眺められる機会は今後無いかもしれません。ショップのブースに行くとフェラーリやランボルギーニなど多数。豪華です。
2つ目は自動車メーカーが新型車の発表をするようになったこと。今回、トヨタはGRの『GR-4』というスポーツモデルをワールドプレミアした。ホンダも今年の夏にモデルチェンジされる新型『N-ONE』を。ダイハツまでブランニューの『タフト』など出展している。いずれも昨年10月のモーターショーでなくオートサロンを選んだ。
なぜモーターショーでなくオートサロンなのか? 軽自動車についていえば、大物が多数出てくる東京モーターショーだと埋もれてしまうからだという。確かにメディアの注目度や露出度を考えたら、どちらも同じくらい高い。2021年は東京モーターショーを開催しないため、来年のオートサロンも新型車ラッシュになるかもしれません。
オートサロンの主役であるドレスアップカーや、パーツ類は徐々に市場が小さくなってきているものの、その分工夫するようになってきている。確かに魅力度を高めないと売れない。足回りのパーツや外装パーツなど、思わず欲しくなってしまう。私のようなクルマに囲まれた日々を送っていても新鮮。入場者数の多さも理解出来ます。
日本自動車大学校の展示
また整備技術などを教える自動車大学校のブースが年々勢力を拡大してきた。熱心な千葉県の『NATS』(日本自動車大学校)は、学生さん作の派手なオリジナルデザインの車両を展示。東京自動車大学校や埼玉自動車大学校、日産自動車大学校なども年々レベルアップしている。素晴らしい卒業制作になるというから一石二鳥かもしれません。
2月14日~16日まではインテックス大阪で『大阪オートメッセ』が開催される。オートサロンと同じく毎年入場者数が増えており、昨年実績で26万2千人と関西のイベントとしては最大級。こちらもぜひ足を運んでみてはいかがだろう。
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。
学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。