国沢光宏のホットコラム

2014 メンテナンス情報

Vol.129「エンジンコンディションを良好に保つには?」

エンジンの寿命は普通に使って50万kmといった程度である。何を根拠にしているかといえばタクシーです。毎日動かし、特に丁寧な乗り方をしなくても、オイル交換など指定されたメンテナンスを行えば50万kmくらいトラブル無しで走れてしまう。いや、50万kmでも壊れない。

一方マイカーは、走行距離が10万kmを超えてくると、中古車の相場がイッキに安くなる。この差はどこから来るのか?

エンジンに関して言えば、大きな要因を考えれば2つくらい存在します。潤滑と、エンジン内部に付着するスラッジやカーボン起因の異常燃焼などだ。

毎日動かしていればエンジン内部は常時オイルの膜でカバーされているが、休日にしかクルマを動かさないような使い方をしていると、潤滑に問題が出てしまう。特にエンジンは膨張率の違う素材で構成されているため、暖まるまで設計通りのサイズになっていない。

また、乗る度にタクシーの如くエンジンに負荷を掛けていれば、スラッジやカーボンは付着しにくい。けれど今や一般道ではアクセルをたっぷり踏み込むような運転はほとんどしないだろう。

したがってスラッジやカーボンも溜まる一方。かといって「乗ったらアクセル全開にしてください」は無理。

ということでおすすめしたいのが、エンジンのコンディションを良好なまま維持してくれるオイル添加剤と燃料添加剤です。

良質なオイル添加剤はオイルの性能を一段と向上させる役割を持ち、冷えている時の厳しい摩擦(サーキット走行に匹敵する)に耐えてくれる。これで暖まるまでの摩耗を防げる。

ちなみに走行1万kmから『モーターレブ』を入れていた2003年式のプリウスは(沖縄の知人が乗ってます)、11年と10万kmを超えているが、未だエンジンのコンディション良好。パワーやフィーリング、振動はもちろん、音が大きくなったりもしていない。エンジンより先に車体の寿命になる?

今は『デュアルブ』というプレミアムオイル添加剤があるため、これを使ってみたらいかがだろう。入れた時からクルマの“加齢”を抑えられる。多走行車ならエンジン内部に溜まったスラッジなども溶かしてくれるため、若返りも可能。

燃料系は最近登場した清浄剤入りのハイオクを入れるというのも手。ただ3回くらい続けて使用することを推奨している。3回分で150Lだとすればレギュラーより1650円高い。だったら『ストップ&ゴー』という新しい燃料添加剤を1400円で買った方が確実だと思う。カーボンも落としてくれる。

STOP&GO ガソリン車用/軽自動車用

軽自動車用もあって1100円。アイドリングストップ車に対応しており、半年くらいに1本入れておけば、燃料系の「加齢症状」を抑えられると思う。その他、手頃なオイル添加剤や燃料添加剤もラインナップされているため、自分のニーズにあったタイプを使ってみたらいかがだろう。

参考までに書いておくと、エンジントラブルの3大要因は、
1)オイル切れ。
2)冷却水が漏れたウォーターポンプトラブルなどによるオーバーヒート。
3)タイミングベルト切れ。
ウォーターポンプとタイミングベルトはメーカーの指定時期を守り、壊れる前に交換しておきましょう。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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