国沢光宏のホットコラム

2014 クルマ&バイク情報

Vol.127「世界で販売されている日本車の魅力」

ランクル70

トヨタは『ランクル70』という1984年に発売の人気クロカンモデルを1年間だけ再販売するという(2004年に国内販売終了)。よく生産ラインが残っていましたね、と思ったら、何と!オーストラリア市場向けにずっと現地生産&販売をしていたのだという。考えてみれば日本で販売していない日本車は少なくない。

以下、どんな車種があるのか具体的に紹介してみたい。まずは新興国市場向けモデルから。筆頭はタイで生産されているピックアップトラック達。例えばマツダだったら『BT50』というスタイリッシュなモデルをタイで生産しており、東南アジアやオーストラリアなど世界中で販売してます。この手のクルマ、日本だと皆無に近い。

マツダBT50

使い勝手は良好。キャビンの部分に広くて快適な5人座れるシートを確保。荷台の上にハードトップを付けることにより、ヘビーデューティなステーションワゴンとして使える。基本的に乗用車として使われるため乗り心地だって良好。2.2リッターのディーゼルエンジンと組み合わせてやれば、遊び用のクルマになります。

トヨタは『ハイラックス』。日産も『ナバラ』という超カッコ良いピックアップトラックを生産している。エンジンはハイラックスやNV350キャラバンに搭載されている4気筒ディーゼルだから、厳しい日本の排気ガス規制をクリア可能。現在マツダCX-5など限られたモデルしか存在しないSUVのディーゼルを日本で発売したらニーズあります。

ヨーロッパ市場向けの日本車も日本で販売して欲しいモデルが少なくない。こちらは車種というよりエンジン。ここにきて日本でも燃費と走りの良い新世代クリーンディーゼルエンジン車を再評価される傾向になってきたものの、依然としてマツダを除いて国内販売してこない。厳しい排気ガス規制をクリアできないからです。

しかし今秋から欧州も日本と同じレベルの排気ガス規制が始まる。新しい規制をクリア出来ていれば日本で売ることだって可能。トヨタはBMWからディーゼルエンジンを調達して搭載することになっているし、日産もすでに兄弟会社のルノー製ディーゼルを『ジューク』などに搭載して販売中。こういったモデルを日本に持ってきたら面白い。

トヨタ・アイゴ

日本だと売れ行き順調と言えないホンダCR-Vなど、欧州仕様の1.6リッターディーゼル搭載モデルを販売したら活気が出てくるに違いない。また、トヨタ『アイゴ』のようなコンパクトなボディを持ち、欧州車のようにキビキビ走るクルマも日本でぜひ販売して欲しいと考えます(小型車は日本に持ってくると高価になるため難しい)。

最後はアメリカ。日本で販売されていないアメリカ専用車は、5リッター以上のV型8気筒を搭載しアメリカのフルサイズカーと勝負している巨大なモデルが多い。日本でも欲しいと思っている人は多いらしく、並行輸入されたトヨタの『タンドラ』など良く見かける。純粋なアメリカ生産車のため、貿易摩擦解消のためにも輸入したらよいと思います。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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