国沢光宏のホットコラム

2014 メンテナンス情報

Vol.122「雪道走行後のメンテナンスポイント」

ジャッキアップの時は脱落事故防止のため外したタイヤを下に

今シーズンはいつもより雪道を走る機会が多かったのではなかろうか。都市部でもサビの原因になる融雪剤を多用しており(クルマのボディに白い結晶が付着していれば融雪剤です)、出来ればシーズン終わりに徹底的な融雪剤除去のためのメンテナンスをしておきたいところ。

手順としてまずジャッキアップしてタイヤを外す。その際、タイヤはボディの下に置いておけば、万一ジャッキが外れた時も押し潰されずに済む。次にホースでサスペンション回りやブレーキ回りを十分洗いたい。なぜなら「錆」は発生しないと言われるアルミ材も、白い点のような腐食が発生するからである。

そして洗剤を薄めておき、歯ブラシなどで丁寧に洗えばベスト。さらにサスペンションのアーム類などはウエスに5-56 を吹きかけ(直接スプレーするとブレーキに付着するので注意)、軽く油分を付けておくといいだろう。ブレーキ回りに関しては『ブレークリーン』を吹きつけておけば文句無し。

ついでに下回りを覗き、地面と擦ったようなキズのある場所は『シャシーコート ブラック』を使うと良い。下回りから始まる錆びの発生を大幅に抑えられます。また下回りの部品は基本的に強固な防錆対策をしているが、飛び砂利や氷などでキズ付くことも多い。そんな時にも『シャシーコート ブラック』が有効。

交換したスタッドレスタイヤは、融雪剤を完全に落とすべく丁寧に洗い、ホイールは5-56 を吹いたウエスで軽く油膜を作っておけば良いだろう。タイヤは硬化やひび割れを防ぐ効果のある『ラバープロテクタント』を吹いておくと良いと思う。

続いてエンジンルーム。ラジエターにも融雪剤はこびりついている。高圧洗浄機を使うとフィンが曲がってしまうため、ホースの水で丁寧に。このとき、バッテリー、オルタネーターなど、水をかけてはいけない場所はしっかりビニールなどでカバーしておくこと。走行中に雨で流される部分の洗浄は不要なので、ボンネットの陰に隠れる上側などを重点的に洗う。水を掛ける前に融雪剤の付着状況を見れば洗うべき場所がわかる。

エンジンルームも水をかける前に白い結晶の付着場所を確認しておく。これまた高圧洗浄機はダメ。ホースの水と歯ブラシなどを使い、結晶のついている部分を重点的に洗ってやろう。その際、10年以上経過しているクルマであれば、ゴムホース類の劣化チェックをして欲しい。

ここまでやったら、仕上げは高圧洗浄機。ラジエターやボディ(窓ガラスのゴム類などに高圧水を吹きかけると水漏れの原因になります)に掛からないよう注意しながら、ボディ下面を洗い流していく。最も錆びやすい排気管の回りを重点的に。ちなみに大雨の日に一回走れば、下回りの洗浄は不要です。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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