国沢光宏のホットコラム

2012 クルマの豆知識

Vol.100「クルマメーカーのSNS活用事例」

イベントなどの実況は盛り上がります!

企業のホームページを見ても、自由に意見や質問を出来る掲示板は減ってきている。しかし大半の企業はユーザーからの率直な意見を広く聞きたいし、交流もしたいと考えている。そこで登場してくるのが、ツイッターやフェイスブックに代表される『SNS』だ。ここにきて多くの企業がツイッターやフェイスブックに参入してきた。

例えば先日ドイツのニュルブルクリンクサーキットで行われた24時間耐久レースは、トヨタと日産、スバルが参戦しているけれどTV放送など行われなかった。そこでメーカーはツイッターで広く情報を流す作戦に出る。

トヨタの場合、台場のメガウェブという大展示場から24時間レポートを続けた。順調に走っていれば「いいぞ!」。マイナートラブルでピットインするや「頑張れ!」の書き込みが続々。クラス優勝という結果だったこともあり、大感動のフィニッシュになった。TVでは味わえないような臨場感とアクセスしている人の一体感が得られ、アクセス数を含め大きな盛り上がりを見せた。

充電場所など細かい情報のアップも役立つ

日産の電気自動車リーフのツイッターも賑やかで情報量豊富。日産社員が担当しているようなのだけれど、この方はマメです。1日40回も50回もツイートを続けている。その日の横浜(日産本社)の天気や気温に始まり、電気自動車関係のニュースもツイートしてます。これまた元気。

最近増えてきたのは自動車メーカー広報部のSNS。現時点でトヨタ、マツダ、スバルの広報部がツイッターで情報を届けている。当たり前ながら一般メディアより早くて正確な内容だし、人気モデルの納期や、フォロワーからの質問などにも答えてくれます。人気上昇中でございます。

もちろん課題も少なくない。コントロールが厳し過ぎると、ヨイショのコメントばかりになってしまい面白味に欠けてしまう。かといってハードルを緩くすると、正論で苦言を呈された時の対処が難しい。また、そもそも面白くない内容の記事だとアクセス数も伸びず、閑散としてしまう。

ということで現在成功しているSNSに共通するのは、

1) 特定のイベントなどを対象とし、短期間に濃い情報のキャッチボールを行う
2) キャラクターのあるホストが面白い情報を流し、参会者を上手にまとめていく
3) 役に立つ情報をドンドン流していく

といった内容。

細かい情報を素早く伝達出来るSNSは今後大きな存在になっていくと思う。近い将来、SNSを上手に使った企業が業績を伸ばすようになるだろう。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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