国沢光宏のホットコラム

2009 クルマの豆知識

Vol.65「2009年G・W~ETC1000円乗り放題の余波~」

高速道路の土日祝日1000円走り放題の開始により、ゴールデンウィークは全国的に大渋滞が発生した。大都市近郊だけでなく、普段なら連休でも交通量の少ない地域まで混んだほど。いくつかの特長や傾向が判明したので紹介したい。
まず混雑する時間帯。今までの連休であれば、休みの始まる日(今年で言えば4月25日)の早朝4時くらいから渋滞が発生したもの。しかし「少しでも1000円走り放題を活用したい」ということなんだろう。すでに前日の夜から渋滞し始めている。
つまり皆さん1000円走り放題の適用となる25日(土曜日)の0時過ぎに目的地に到着するようなスケジュールを組んだのだ。これだと休みの日をフルに活用可能。帰りは日曜日の夜遅い時間に現地を出るようなパターンが目立つ。二つ目は前述の通り大都市から離れた地域が混雑したこと。地方に住んでいる人達も高速道路を使って遠くまで行くようになったのだろう。一方、普段の週末だと激しく混む湘南や箱根などの東京近郊は拍子抜けするくらい空いていたから面白い。
また、長い距離をクルマで移動した人も少なくなかったようだ。確かに遠ければ遠い方が走り放題のメリットを受けられる。深夜や早朝のSAやPAで仮眠を取る人の姿も目立つ(エンジン掛けた状態での仮眠は危険なので注意しましょう)。

渋滞したら「一旦出る」のも良い方法

東名道の『足柄SA』や名神道の『多賀SA』、東北道の『佐野SA』には宿泊施設があるものの、休日は連日満員で事実上使えず。全国に11カ所有るSAやPA内の温泉も連休中は大混雑して順番待ちも出来てしまったという。
大渋滞したような時は1000円乗り放題にこだわらず、一般道へ降りて(なんせ途中下車しても最大で1000円ですから)遊んだ方が楽しいと思う。いずれにしろマスコミの情報に踊らされたら、大混雑の中に飛び込むようなもの。

ノッズ・アイスパンチ

ロングドライブで注意して欲しいのが居眠り運転。睡眠不足からくる眠気は寝ないとダメだけれど、運転に飽きた時の眠気は、気分転換などで解消可能。渋滞中だと車外に出てのストレッチなど出来ない。そんな時は気分転換グッズなど。
顔に向けてひと吹きするだけでリフレッシュ出来る『ノッズ』や、夏場ならスプレーするとミストが瞬間氷結する『アイスパンチ』などを試してみたらいかがだろう。
オーソドックスな方法ながら、アイスボックスを積んで置き、冷たいオシボリやカフェイン入りのドリンクなど持って行くといい。1000円走り放題で最も役立つのは、激しい渋滞に出くわした時も快適に過ごせるような準備や知識かもしれません。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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