国沢光宏のホットコラム

2020 クルマ&バイク情報

Vol.195「進化するデジタルインナーミラー」

今やドライブレコーダーは必須の装備となりつつある。そもそも青信号などに代表される道交法を守っていながら事故に遭遇した際、自分の正当性を証明するための手段だったけれど、今やあおり運転を受けた際の証拠としても使われるようになってきました。1度使うと、装着されていないクルマに乗るのが不安になってしまうほど。

ただドライブレコーダー選びは非常に難しいと思う。3千円程度から買える安価なシステムもあれば、5万円近くする製品だってあります。しかも装着したって緊急時にキチンと稼働しているか解りにくい。また、あおり運転をされた際に有効な後方を写すドライブレコーダーは高価だし、カメラの装着場所が悪ければ有効な画像を残せません。

そういった「悩み」を全て解決してくれるのが、新型ハリアーの『G』グレード以上に標準装備されている「前後方向録画機能付きデジタルインナーミラー」だ。何と!前後方向を写すドライブレコーダーが標準装備されている!デジタルインナーミラーはインナーミラーとして使えるくらい精度の高い後方カメラを使っている。

しかも後方カメラの装着場所は、1)雨の日でも水はね少なく、2)汚れにくい位置を入念な走行テストにより選定している。配線だって確実です。ドライブレコーダー用の後方カメラとしては最上級と言って良い。今までもデジタルインナーミラーを採用している車種は存在したが、ドライブレコーダー用として活用したメーカーは無い。

新型ハリアーの後方記録画像を見せてもらったけれど、後付けシステムの画像と比べたらレベルが違う!後方で起きていることを全てキッチリ残すことが出来ると思う。あおり運転をされた時だけでなく、追突事故をされた状況も明確に解ります。

もちろん前方のドライブレコーダーも標準装備されている。メーカーが様々な試験を行って開発したシステムのため、圧倒的に高い信頼性を持つ。当然ながらシステム分の費用は車両価格へ上乗せされているものの(GグレードはSグレードより42万円高)、他の装備と一緒のため、次に乗り換えるときの査定の高さで少しモトが取れることだろう。

また「プライバシーの侵害になる」と思う人も多いようだけれど、ドライブレコーダーの画像はドライバーのもの。もし訪れた場所が解るためイヤだ、というなら、記録媒体を外しておけばいい。または後から記録媒体を外して消去することだって出来るから御安心を。

おそらく今後はデジタルインナーミラー車を選ぶと、漏れなく前後のドライブレコーダーが標準装備されるようになっていくと思う。防犯にも有効である。全ての車両にドライブレコーダーが装備されるようになれば、様々な事故や事件を正しく解決出来るようになることだろう。未だドライブレコーダーを導入していないなら、早めにどうぞ。

  • 前後方向録画機能付きデジタルインナーミラーの場合

  • ルームミラーの場合

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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