国沢光宏のホットコラム

2017 クルマ&バイク情報

Vol.159「クルマ選びで事故を未然に防ぐ」

東名高速で発生したバス事故はとてもショッキングだった。このような事故を繰り返さないためにも再発防止策を考えたい。

今回の事故での教訓は「中央分離帯の危険性」だと考える。高速道路の中央分離帯の役割と言えば「対向車線に飛び込まないようにする」。今回の事故、中央分離帯が役割を果たしていれば、と思う。

実際、最初に衝突したらしい左側のガードレールは、役割を果たし車両を車線内に戻している。中央分離帯も同じ役割を果たせば、大きな事故にならなかっただろう。といっても自分で中央分離帯の改良工事をすることなど出来ないため、危険だという自覚を持って運転するしかない。

逸脱時のハンドル制御を行うアイサイト3付きのクルマ

こう書くと「当たり前」だと思うだろう。その通りで、誰だって車線をハミ出さないように運転をしている。ただ「運転ミス」の場合、誰にでも可能性があること。こういった単純なミスをカバーしてくれるのは、新しい技術である。車線逸脱防止機能や警報装置を持つクルマがドンドン出てきた。

自動ブレーキの普及により、先行車を見るためのカメラで車線も判別出来るようになったからだ。現在、自動ブレーキのセンサーにカメラを使う車種の大半が常時車線も判別している。車線から逸脱しそうになった時の対応は二通り。警告だけ出すタイプと、ハンドル操作まで行ってくれるタイプだ。

衝突回避支援システムには車線逸脱警報機能もある

警告だけ出すタイプは、文字通り警告音と警告灯で車線からハミ出したことを教えてくれる。このタイプの警告装置が付いているアウトランダーPHEVに乗っているけれど、一般道では車線を踏む機会も多いためスイッチを切るが、高速道路だと有用(幸い役に立ったことはない)。

最近はドライブレコーダーに録画用カメラを使った車線判別機能を持たせ、逸脱警告してくれるタイプも出てきた(ネットやカー用品店に行くと販売している。2~3万円で購入可能)。こういった後付け用品を装着すれば、現在乗っているクルマの安全性を高めることが出来る。

ハンドル操作まで行ってくれるタイプは残念ながら後付けできない。常時カメラで車線を判別しており、逸脱しそうになったら警報だけでなくハンドルも自動操作され車線の中に戻るようになっているからありがたい。もし新車を購入する計画があるなら、ぜひこういった機能が付くモデルをすすめておく。

国沢光宏
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。

学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。

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