2016
クルマ&バイク情報
Vol.150「今どきの若者とクルマ」
今回は国沢コラム150回を記念して、国沢さんと大学生の男女4人で「クルマ」をテーマに対談を実施!若者のクルマ離れと言われていますが実際はどうなのか?また、モータージャーナリストの国沢さんのお話を聞き、車に対しての意識は変わるのか?そのリアルな対談内容をお届けします!
― 国沢さんが考えるクルマとは…?
- 国沢さん
- もともと人間は常に移動して新しいところを探して食べ物とか住環境を探していたっていう生物の特徴があって、それを昔から満たしてくれるのが馬だった。それが今であれば車。
車っていうのは一種の道具でもあって、他の道具と同じようにデザインを気にしたりすると思うけど、車は他の道具とちょっと違う意味がある。単なる道具ではなくて、人の本能にも起因する意味合いがあるのかなって。
みんなは若いけど自転車は買ったことあるよね? - 大学生4人
- はい
- 国沢さん
- 自転車買った時ってすごく嬉しくなかった?
- 大学生4人
- はい
- 国沢さん
- 嬉しかったのは多分、自分で色んなところに行けるようになったからじゃないかな?
そういう移動の道具を自分で持ったっていう事が嬉しかったと思うのね。
車は自転車よりもはるかに遠くまで行けるし便利。車を持っているとたくさん幸せなことがあるっていう話を今日はしたいなと思ってます。
― 車はあったら便利だと思うけど、必要性は感じないし電車で十分
- 土田くん
- 車はあったら便利だと思いますけど、都内に住み続ける限りは必要ないかなと。ただ、岐阜の地元だと、どこに行くにしても車が必要でした。
- 国沢さん
- どっか車で遠くに行きたいとか思わないの?
- 土田くん
- あまりそういう考えに至ることがないですね。
- 国沢さん
- 私が学生の時は車で色んなところに行くのが当たり前だったんですけどねぇ。。。他の学生の子たちもみんなこんな感じなのかな?
- 桑名くん
- 僕は家に2台あるんですけど、1台は僕用におじさんからもらった車があるんですけど、近場にちょこっと行くくらいで、遠出はしないです。遠出をする際は現地でレンタカーとか借りちゃいます。
- 国沢さん
- 自分の車に荷物とかいっぱい積んでフェリーとか乗って行こうとは思わない?
- 桑名くん
- 考えたことないですね…笑 でも車に乗る楽しみは感じてきているので、慣れてきたら遠出をするかもしれないですね。
- 国沢さん
- 斎藤さんはどう?あなたの好きなラーメンを食べにどこへでも行けるよ。
- 斎藤さん
- 基本電車であちこち行くので車はあんまり…
- 国沢さん
- 車あったら便利なのになーって思わない?
- 斎藤さん
- それは思いますが、自分で免許取って乗りたいとまでは思わないです。
事故を起こすんじゃないかとか考えてしまって。ちょっと怖いですね。 運転したいと思わないです。 - 国沢さん
- ちなみに遊園地とか行ってゴーカートとか乗ったことある?
- 斎藤さん
- あります。楽しかったです!笑
- 国沢さん
- 実際の車も同じようなもんなんだけどな~笑
車があれば車じゃないと行けないようなところのラーメン屋とかにも行けるし、夜ふらっと行きたいな!と思った時車があったら便利だよ?今まで行けなかったラーメン屋に行ったら世界が変わるかもよ?そう考えるとすごく魅力的じゃない? - 斎藤さん
- それは魅力的ですね!でもどうしても踏み切れないところが。。。お金の面も一部ありますが、それよりかはめんどくさいが大きいです。
- 国沢さん
- ちなみに彼氏に車乗ってほしいとか持っててほしいとか考えたことある?
- 荒井さん
- あったらいいなとは思います。楽しそうだし、いいなとも思います。遠出するにも電車より車の方が楽ですよね。でもそこにこだわりはないです。あってもなくてもって感じです。
― 車を選ぶなら燃費重視。いい車乗ってるとか自慢してくる人はちょっと引いちゃう…
- 国沢さん
- 車はいらないって意見がほとんどだったけど、もし乗るなら(乗ってみるとしたら)どんな車がいいですか?
- 土田くん
- 燃費が良く安全性の高い普通車がいいですね。カタチにこだわりもないですが、運転しやすいタイプが良いです。色は汚れの目立たないシルバーがいいかなと思ってます。
- 桑名くん
- 僕はスポーツタイプの車とか気になってはいるんですけど、でもやっぱり実用的な車の方が最終的には買うことになるのかなぁって感じですね。荷物とか運べたり、燃費が良かったりっていう方を現実的には買うとは思います。でも、できることなら両方欲しい感じです。実用性向けと、スポーツタイプと。
- 国沢さん
- おーいいねぇ!あなたは車好きに一歩足を踏み入れた感じだね!このままいくともうちょっと深く興味持つかもね!やっぱり乗ってるとそうなってくるでしょ。
- 桑名くん
- はい。最初ほんとに興味なかったんですけど、ちょっとずつって感じです。
- 国沢さん
- 女子たちは乗せてもらうならどんな車がいい?
- 斎藤さん
- 小ぶりのやつがいいです。すっごく大きいよりも、小回りが利きそうなやつが…
- 国沢さん
- 自分でのるんじゃなくて?乗せてもらうのでも?
- 斎藤さん
- そうですね。落ち着きそうです。
- 荒井さん
- 私も特にないですね。無難な車がいいです。(笑) めちゃめちゃかっこいい車は逆に恐れ多いって感じになる。
- 国沢さん
- じゃあ高級車に乗ってみたいとかそういうのはないの?例えば友達がこんないい車乗ってるとか話題になったりしない?
- 荒井さん
- 今のところあまり思わないです。それにそういうのを自慢してくる人はあんまり好きじゃないです。
- 国沢さん
- 今の男も大変だね。。。(笑)いい車買ったり乗ったりっていう憧れみたいなものが少ないのがちょっと驚き。
― 今は運転手を守る技術だけでなく、歩行者側も守るシステムがあるんです
- 国沢さん
- さっき車を選ぶなら安全性とか燃費とか性能重視な意見が多かったけど、最近の車って色んな技術があるんですよ。例えば私が持っている車は、お台場までは電気だけで往復できちゃうんですよ。だからガソリンを買わずに二酸化炭素を出さずに車に乗れる。他にも歩行者に対してエアバックがついてる車もあるんですよ。
- 斎藤さん
- 外についてるってことですか?
- 国沢さん
- うん外に。ニュースでも交通事故で人を撥ねてしまったとか聞いたことあるよね。でも歩行者側のエアバックがあると歩行者への負担が大幅に軽減できるんだよ。今は運転手への安全対策はもちろん、歩行者側への安全対策も進んでるってわけ。
- 一同
- へ~すごい!画期的!
- 国沢さん
- 外だけじゃなくて、車の中のエアバックもボンネットから出てくるのは一般的に知られているけど、今は衝突事故による膝への負担も軽減するために膝の前にもエアバックがついてるんだよ。あとはサイドカーテンエアバックって言って、横からぶつかってもエアバックがあるの。
- 荒井さん
- 完全ガードですね(笑)
- 国沢さん
- それから自動ブレーキって言って、前に常に電波を飛ばしていて、前の車が急に止まったのを見つけると自動的に車にブレーキがかかって停止する。だから、事故が怖いって言ったけど、今の一番新しい車でそういう技術がついてればなかなか事故は起きないようになってる。
- 斎藤さん
- 安全性でそこまで気にしたことなかったです。
- 国沢さん
- 人間って一度知っちゃうともう後戻りできないんですよ。昔はシートベルトをするって文化があまりなかった。でも一度すると、しないと怖くなっちゃうから今は必ずする。バイクだって昔はヘルメットをする文化がなかった。これも一度被るともう怖くなってかぶらないと怖い。
知らなかったことを知ると、今までの世界ががらっと変わるんだよね。だから車に対する価値観も同じことがいえると思うんだよね。車のレベルによって乗り心地が全然違うし、車内のオーディオなんかの設備だって全然車によって違う。
まだみんなは知らないだけで、一度知ってしまったらどんどんステップアップしていきたいって思うと思うんだよね。だからそういうことを教えてくれる人が周りにいたら良いんだけどなって思う。
― この機会に国沢さんに聞いてみたいことは?
- 桑名くん
- 社会人になって初めの一台は現実的に中古車になってしまうと思うんですが、中古車を買うならどんなところを気にしたら良いですか?
- 国沢さん
- 走行距離が少ない車がいいと思う。桑名君の場合は外車とか良いんじゃないかな?昔に比べてお手頃な価格で良い中古の外車もあるからね。
- 土田くん
- 今度友達みんなでドライブに行くんですけど、おすすめの場所とかありますか?
- 国沢さん
- あえて高速道路乗らないで普通の下道をずっと軽井沢の方に行くとか。これからの季節軽井沢とかいいよ!山梨の方からぐるっと回っていくと、八ヶ岳とか浅間山とか高原を通って行くと気持ちいいしね。あと山の道路走ると運転も上手くなるかも。
- 斎藤さん
- こういう車を持っている男性なら信用できるみたいなことありますか?笑
- 国沢さん
- みんなくらいの年齢だったらバリバリの新車を乗っている人よりも、中古車を大事に乗っている人の方が印象がいいだろうね。意外と乗ってる車でその男性を見極めることもできるよ。
- 斎藤さん
- へぇー注目してみたいですね。
- 国沢さん
- ちゃんとした人は大体ちゃんとした車に乗ってるから。例えばスポーツカーでバリバリ乗ってる人がいてちょっと趣味が行き過ぎてるかなって思うかもしれないし。適当に、自分のライフスタイルに合ったような車、自分の年収とかに合った車に乗ってる人が一番お洒落なんじゃないかなと思う。
― 実際に国沢さんとの対談を終えてみて
- 国沢さん
- みなさん、今日の対談を終えてみて車への意識は変わったかな?どう思いましたか?土田君はいかがでしょう?
- 土田くん
- 車に対しての価値観など今まで知らなかった世界を国沢さんとのお話の中で知ることができ、車の楽しみを覚えた気がしています。今度予定しているドライブも国沢さんにおすすめいただいたコースで挑戦してみたいと思います!
- 国沢さん
- ぜひぜひドライブしてみてください!女性陣はいかがですか?
- 斎藤さん
- 今まで車なんていらないと思ってましたけど、色んな街のラーメン屋さんに行けるのは魅力的ですね。それと街中で車に乗っている男性を見て、どんな人なのか見極めるトレーニングをしてみたいと思います。ラーメン巡りするにもまずは免許の取得ですね。笑
- 国沢さん
- そうだね!ラーメン屋さんめぐりもより一層楽しみが増えますね!
- 荒井さん
- 私もまずは免許を取る!ということにトライしてみたいと思います。何だか今日色々話していて、だんだんドライブへの憧れが芽生えてきた感じがします。車のことなんて考えたことが一度もなかったですが、少し興味を持てました!
- 国沢さん
- まずいろんなところに足を運んでみることで色んな世界を見ることで価値観も変わるだろうしね!家にいてばっかではダメだよ!笑 では最後に桑名君いかがでしたか?
- 桑名くん
- 色んな性能を持った車がある事を知りましたので、今乗っている車でもう少しドライブを楽しみながらも、中古車サイトなど見ていろんな車を見てみたいと思います。あと免許でATの限定解除をしに行きたいと思います。
- 国沢さん
- 桑名君は一番車好きになりそうだよね!今度中古車を買うなら、いっそのことマニュアルにしてみたら?今日話をしてみて、車をちょっとでも好きになってくれて嬉しいな。知らないことを知ると興味を持てるしね!こんな感じで車好きな若者がどんどん増えていってくれると、僕も嬉しいです。みなさん、今日はありがとうございました。
- 大学生4人
- ありがとうございました!
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。
学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。