Vol.25「厳しい冬を乗り切るために」
今シーズンのように寒くて雪の多い冬は、ケミカル製品が絶大なる効果を発揮する。必ずクルマに積んで置きたいアイテムから紹介したい。
まず窓ガラスに付いた氷を溶かす『アイス・オフ』。 雪の降っている日にクルマを停め一晩経過すると、ガラス面はビッチリ着氷してしまう。室内の温度で一度雪が解け、冷え込むと氷になるためだ。この氷、スクレーパーなどだと簡単に取れない。エンジンさえ暖まればデフロストの温風で解けるのだけれど、寒冷時だと10分程度掛かるハズ。アイス・オフを吹き付けてやると、あっという間に解決。すぐ走り出せます。もちろんカギ穴に付着した氷も簡単。
『A.G.簡単ガラスコート&クリーナー』で窓ガラスをコーティングするのも良い。 この製品、事前の作業でなく、雪に遭遇してから吹きかけるだけでOK。つまり窓ガラスが汚れた状態なら、汚れを落とすクリーナーの役割を果たした上、コーティング出来てしまうのだ。乾いた雪質の時に起きやすいワイパーのビビリも抑える効果を持っている。『A.G.シリーズ』、サイドミラーの水滴防止剤やくもり止めもラインアップされているから試してみたらどうだろう。
視界確保のため、ワイパーゴムの交換をするのも良い。本当なら『スノーブレード』と呼ばれる雪専用のワイパーブレードを使えばいいのだけれど、雪が降らない地域の人だとオーバースペック。かといって経年変化したブレードだと雪をキッチリ拭えない。そこですすめたいのがブレードゴムの交換。カー用品屋さんに行くと、ワイパーのゴム部分だけ売っている。ワイパーを一式交換するより若干手間取るモノの、価格は半分。ビビリの少ない最高級タイプでも2本で2千円前後で買えます。高い製品だと標準装着タイプより高性能。交換すると驚くくらい快適になると思う。作業も案外簡単。ワイパーブレードを取り外し、ゴム部分を強く引っ張ればいいだけ。工具も不要。5分あれば終了します。
また、こういった“厳しい冬”に雪が降る地方へ行くなら、保険だと諦めアイスバーン性能の高いスタッドレスタイヤを購入することをすすめておく。駆動輪のみに滑り止めを付けるスノーチェーンだと、ブレーキ時の前後バランスが悪い。極低速で走れば問題ないものの、雪の区間が長いと時間も掛かる。何より極端なスロー走行は、後続車に絶大なる迷惑を掛けるから注意して欲しい。その他、雪道を走る前に準備しておきたいアイテムについては『Vol.12』を御参考下さい。バッテリー強化剤など寒い冬こそ役立つと思う。
もう一つ。高速道路上だけでなく、一般道で走行不能になったりチェーン装着する際は、三角停止表示板を必ず使って欲しい。これだけで突っ込まれるタイプの事故の大半を防げます。
国沢光宏 - 昭和33年東京都中野生まれ。
学生時代から自動車専門誌などでレポーターを始め、その後出版社を経てフリーの自動車ジャーナリストに。
著書に「愛車学」(PHP研究所)「ハイブリッド自動車の本」(三推社/講談社)「クルマの寿命を伸ばす本」(同)を始め多数。得意分野は環境問題、次世代の技術解説、新車解説。
毎日1万人が見に来る(KUNISAWA.NET)も好評。