「気がついたときには、そこに
アウトドアライフがあった、という感じです。」
- Q:快適生活研究家として独自のアウトドアライフを提唱されている田中さんですが、最初にご自身がアウトドアライフに接したのは、いつ頃のことでしょうか。
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田中ケンさん(以下/田中):はっきりした記憶はないのですが、つまりそれくらい幼い頃のことなのですが、父親が自然の中で子供たちを遊ばせることが大好きな人だったので、時間があるとクルマに荷物を積んで郊外の自然の中に遊びに連れて行ってくれていました。
- Q:テントを張ってキャンプ生活を楽しむような感じですか。
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田中:テント泊ではなかったのですが、コテージに泊まって父親が料理を作ってくれたり、そこを起点に山遊びをしたりしていました。勝手にいろんな遊びを見つけて、子供ですけど藪漕ぎとかトレッキングのようなことをして楽しんでいました。
父親はドイツ系ということもあって、そういうことが好きだったんだと思います。父親がいる週末は家の庭でBBQを楽しんだりしていましたから。 - Q:その後、さまざまな経験をされていますね。
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田中:そうですね。学生の頃はずっとサッカーをしていたんですが、その後モデルの仕事をするようになった時も、体型を維持するために積極的にジムに通ったりしていましたから、何にしても身体を動かすことが好きだったんだと思います。
- Q:モデルという都会的なお仕事をされながら再びアウトドアに目を向けていったのは、どういうきっかけだったのでしょう。
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田中:その頃は自然の中というよりも、ビルが建ち並ぶ都会のジャングルを闊歩していました。そんな、子供の頃のアウトドアライフをほとんど忘れかけていた時に、モデルの先輩に誘われて山中湖でキャンプをすることになったんです。
- Q:そこで子供時代の記憶がよみがえって・・・。
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田中:いやいや、子供時代の記憶を越える楽しい体験でした。キャンプ場に着くと先輩たちがテントやタープを設営して、キッチンやテーブルまでテキパキと用意していくんです。
さらに、ひと通り準備が済むと突然、「晩ご飯までちょっと遊んでくる」と言って、クルマからカナディアンカヌーを降ろして湖畔に向かうんです。
もう、私はただボーッと見ているだけ。ホントにカッコ良かったですね。
戻ってくると今度は料理。
子供の頃の経験から、バーベキューかカレーだろうと思っていた私の前に並んだのは本格的なメキシコ料理のフルコースだったんです。 - Q:そこで田中さんのアウトドア心に火がついたんですね。
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田中:つきましたねぇ。
父親が連れて行ってくれた子供の頃も、先輩に連れて行ってもらった時も、いつも気がついたらアウトドアにいたという感じだったのですが、それからは積極的に自分からアウトドアライフに入り込んでいくようになりました。
「失敗しても上手にできなくても、
それが楽しみになる。それが快適生活です。」
- Q:田中さんは、アウトドアとかキャンプとかではなく「快適生活」という言葉をお使いになっていますが、その意図をお聞かせください。
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田中:簡単に言うと生活を楽しもうということです。その手段のひとつがアウトドアでありキャンプなんです。
子供の頃、家族と一緒に泊まりに行ったコテージも、学生時代に仲間と練習したサッカーも、モデル時代の六本木や赤坂も、そして今こうして出かけていくアウトドアも私にとっては同じ楽しみなんです。
家族や仲間や友達と集まって同じ時間を同じように楽しむ、そのためのアウトドアライフやキャンプを皆さんにお届けしたいというのが私の快適生活の考え方です。 - Q:生活を楽しむためにアウトドアに行こうということですか。
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田中:そういうことなんですが、逆に言えばアウトドアに行かなくてもアウトドア的な楽しみはできると思うんです。
アウトドアの楽しみのひとつに手間を楽しむということがあります。現代の日常生活では、さまざまなことが自動化、簡略化されていて、とても便利になっていますが、アウトドアでは何をするにもひと手間が必要になります。でも、その手間をみんなでワイワイとやると、それだけでも楽しくなります。
それを日常生活でやってみたらどうでしょう。例えば、コーヒーを煎れるのも、あえて自家焙煎からやってみる。失敗してもいいと思います。不味くなったら不味さを話題にみんなで盛り上がれば、それはそれで楽しい。
アウトドアには、そんな楽しみがいっぱいあるということです。 - Q:楽しみ方は人それぞれということですね。
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田中:そうですね。もちろんソロキャンプも素敵な楽しみ方のひとつだと思います。家族や恋人同士で行くのも、大人数でワイワイガヤガヤやるのも、それぞれに楽しみがあります。まず、何よりもアウトドアという日常とは異なる状況を楽しめばいいと思います。
私個人としては、寂しがり屋なもので大人数の方が好きなんですけれど。 - Q:そうなると、未経験だからといって気にすることはないですね。
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田中:いきなりテントを張って火をおこしてなんて考えずに、コテージに泊まってセットのバーベキューを味わうだけでも充分に楽しめると思います。
今、各地のキャンプ場は初心者向けの施設が整っていますし、私の運営している「outside BASE」でも、そういう準備は整えてあります。 - Q:アウトドアをもっと深く楽しみたいという方にアドバイスはありますか。
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田中:先ほども言いましたが、キャンプというのは自然を楽しむための手段のひとつだと思います。せっかくアウトドアに来たのですから、キャンプ地をベースにして、いろんなアウトドアイベントにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
キャンプ場の近くには、山や川、湖などの自然が豊富にあります。登山や釣り、それから私が若い頃に憧れたカヌーなど、いきなり一人で始めるのは危険ですけど、専門の方の指導を受ければ誰でも簡単に楽しめます。
そこからまた、新しい友達の輪や楽しみの輪が広がっていくと思います。
「KURE 5-56もゴリラも
期待以上の効果を発揮してくれます。」
- Q:KURE 5-56についてお聞かせください。
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田中:きっと私だけではないと思いますが、KURE 5-56は当たり前に家にある日常必需品ですね。
ドアの蝶番からちょっとでも音がすると迷わずに一吹きしますし、ネジが緩まないときなんかも必ず吹き付けます。 - Q:お仕事で使うこともあるんですか。
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田中:「outside BASE」をはじめとして、各地でキャンプ場を運営していますが、施設や建物の管理にKURE 5-56は不可欠ですね。
施設や建物そのものにも使うんですけれど、それを管理するさまざまな道具の保管や整備に使うんです。
いつも何かの整備をしているので、なんだかいつもKURE 5-56を持ち歩いているような気がします。 - Q:アメリカの接着剤ブランド「ゴリラ」についてはどうでしょうか。
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田中:私は若い頃からアメリカンライフに憧れを持っていたんですが、ずいぶん前に見たアメリカンライフを紹介する写真に、よくゴリラが写っていてカッコいいなぁって思っていたんです。
そのゴリラがいよいよ日本に入ったというので、さっそく購入しました。 - Q:どのようにお使いになりますか。
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田中:とにかく接着力が強力なのでアウトドアでも安心して使えるんです。
アウトドアライフはある意味不便を楽しむイベントですが、道具などが壊れたりすると致命的になったりすることもあって、楽しむどころではなくなります。
そんなときの応急処置にゴリラの接着力は、とっても役立ちます。
私個人としては、アウトドアだけでなく日常でも使っていて、クルマの外装修理などにも使っています。
「より多くの人たちに、より長くより広く
快適生活を楽しんでいただきたいです。」
- Q:今後の活動についてお聞かせください。
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田中:個人的には最低でもあと20年、自然を楽しみ尽くしたいと思っています。
それと同時に、これからもっと多くの人たちに自然の中にある本当の楽しさを伝えていきたいと思っています。
都会育ちで都会の空気の中で生活していた私でも、こんなに楽しめるんですから、ぜひ多くの人たちに、これからもずっと長く、そしてキャンプだけでなくさまざまな形でアウトドアライフを楽しむ「快適生活」を楽しんでいただきたいと思います。
Profile
田中 ケン(たなか けん)
1964年 東京生まれ
小学校時代からサッカーに親しみ、高校3年生のとき東京代表として全国大会に出場。
高校卒業後は「ポパイ」「メンズクラブ」などの男性雑誌を中心にファッションモデルとして活躍。
1992年 サバイバルレース「レイドゴロワーズ」に日本チームとして初出場し枠外完走。
1993年 冒険型トライアスロン「ボーダートゥボーダー」に出場し完走。
2000年 有限会社ダディーズオピニオンを設立。
アウトドアイベントも数多く手がけ、自身のライフワークである東海自然歩道清掃登山など環境問題にも力を注ぐ。
2008年 自身のプロデュースによるキャンプ場「outside BASE」を群馬県北軽井沢にオープン。
著書
「田中ケンのアウトサイドスタイル」(三栄書房)
「田中ケンのOUTSIDE COOKING」(実業之日本社)
「ダディーズハート」(ソシム)
「アウトドア達人パパの快適家族術」(モダン出版)
アウトドアDVD「A Good Time Outdoor」シリーズ監修