材料準備
まずは材料の準備。と言っても特別なものは何もありません。作りたいクルマのカタチに合わせた木材を用意するだけ。逆に、手に入った木材に合わせてクルマのカタチを決めるのも、ありです。
今回用意したのは、クルマのボディ用の板(約20cm×7cm×2cm)、タイヤ用の丸棒(直径約4cm)、車輪の軸用の丸棒(直径約6mm)。それから、飾り用の丸棒を一本用意したけど、これは、あってもなくてもいいです。
- 白井さんのワンポイント
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「軟らかい木材だと加工はしやすいけど、すぐに壊れてしまう。ちょっと堅めの木材の方が、作った後も長く遊べるし、作りがいもあるってもんだ。」
ボディのカット
それでは、いよいよ作りましょう。まずは、ボディ用の板にカットするクルマのラインを描きましょう。シンプルなラインの方がカットしやすいし、子供のおもちゃとしても遊びやすいですね。板のカットラインをうまく利用して、カットする面を少なくしましょう。
カットは、まず窓から。ドリルで窓の四隅に穴をあけて、そこから糸鋸を通して窓枠に沿ってカットしていきます。糸鋸を使う時はクランプでテーブルや机などの台に固定すると、カットしやすくなります。
- 白井さんのワンポイント
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「ドリルと糸鋸の段差とか、糸鋸がまっすぐ進まないで窓枠が歪んだとか、そんなことは気にしない。そういうユルユルなところも味になるんだから。」
窓枠がうまく抜けたら、ボディラインをカットしていきましょう。細かい角の部分などは糸鋸で、大きなラインはノコギリでざっくりとカットしていきます。
この後、紙ヤスリでカタチを整えていくので、描いたラインより少し大きめに切るくらいでも大丈夫です。
ヤスリがけ
カットしたボディにヤスリをかけていきます。ヤスリは文具店などでも売っている紙ヤスリで大丈夫。大きく削る目の粗いタイプと仕上げ用の目の細かいタイプの2種類くらいを用意して、使い分ければ完璧です(今回は80番と180番)。
- 白井さんのワンポイント
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「紙ヤスリを余った木材に巻き付けたり、細かく折り畳んだり場所によって工夫するとキレイにできる。あ、子供はヤスリがけが好きだから、手伝ってもらうのもいいね。」
ボディのできあがりです。
タイヤのカット
タイヤ用の丸棒を、適度な幅(タイヤの厚み)でカットしますが、ここで秘密兵器!写真のようなカット用の枠をホームセンターなどで入手すると、垂直や斜めも正確に簡単に切ることができます。
カットしたタイヤのセンターに印を付けて、車軸用の丸棒の直径と同じサイズの穴をあけます(今回は6mm)。
ここでも秘密兵器!カットした丸棒を枠に沿わせるだけで、簡単にセンターを出すことができる便利グッズ。これもホームセンターで入手可能。
- 白井さんのワンポイント
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「材料を買いに行った時とか、ホームセンターに行ったら、いろいろとウロウロしてみるといい。何かと便利なグッズが売っているからね。」
仕上げにタイヤにも紙ヤスリをかけておきましょう。これも子供に手伝ってもらったらどうでしょう。
タイヤの組み付け
ボディの車軸位置に、車軸の直径よりも少し大きな穴をあけます(今回は、車軸6mmに対して6.5mm)。
片方のタイヤに少し長めにカットした車軸を組み込んで、車軸をボディに通して、もう一方のタイヤ幅を見極めて車軸をカットします。
車軸のついたタイヤをボディの穴に通して、反対のタイヤを組み付ければ完成です。
色の違う木材で、ちょっと飾りを付けてアレンジしても楽しいです。写真は色違いの丸棒をカットして、接着剤でボディに付けたパトカー仕様です。
- 白井さんのワンポイント
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「タイヤと車軸は接着剤などで固定しないではめ込むだけの方が、色を塗る時にも便利だし、積み木感覚で分解して遊ぶためにもいいと思う。それと、KUREの『シリコンスプレー』を車軸にシュッと一吹きするとタイヤの回りが、とっても良くなるぞ!」
みんなで遊ぼう
できあがったクルマを分解して色を塗ると、さらにカラフルでカワイくなります。水性塗料なら子供たちも安心。家族みんなでワイワイ塗ったら楽しくなること間違いなし!
- 白井さんのワンポイント
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「余った板にドリルで穴をあけて、こんな乾燥台をチャチャッと作れば、『パパ、スゴーい!』って、大絶賛まちがいなしだよ。」
後片付け
- 白井さんのワンポイント
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「今回使った道具は、どれもホームセンターなどで簡単に手に入るものばかり。きちんと手入れしておけば、ずっと使えるから、ノコギリなどの金属工具はKURE 5-56 を使って大切に保管しよう。」
今回の制作には、こんな道具を使いました。
- 糸鋸
- 平ノコギリ
- クランプ
- 電動ドリル
- 紙ヤスリ(80番/180番)
- ノコギリ角度固定治具
- 中心計測定規
- 鉛筆、消しゴム、筆、その他
Profile
木工家 白井 糺
1947年東京都大田区生まれ
実家は下町の町工場で木型屋を営む。
中学卒業後すぐに木工職人として弟子入りしたが、
20代の頃、バイク好きが高じてレース活動に没頭。
世田谷区馬事公苑にバイクショップを開き独立。
その後、木工職人として復活。木工歴は約35年。
現在は木工やDIYの普及に力を注ぐ。
3.11以降、木工を軸とした被災地支援活動を継続して行っている。